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二世代モノ物語文章第一稿目【第一部03】
二世代モノ本文。
第一校。
第一部03。
[03]
えりかさんの家は広い造りの平屋だった。呼び鈴を鳴らすと、しばらくしてエプロン姿のえりかさんが出てくれた。

「お帰りなさいませご主人様。ってお迎えしたらなかよしさんよろこぶかしら?」
「お邪魔します。下手なお店で言われるよりはずっとうれしいですよ。」

「とりあえず、なかよしさんの部屋を片付けておきました。ご案内しますね。」
「えりかさんの家、こどものころから場所は知っていましたが、上がるのははじめてですね。」
「ふふ。上がりたかったんですか?」
「そりゃあ、もちろん。あなたの家なんですから。」
「あがってみて、ご感想は?」
「中身がきれいですね。」
「私、お掃除は好きなんですよ。」
「中身と言うのは住人のことです。」

「じゃ、お部屋で荷物の整理でもしていてください。お食事できたら呼びますからね。」

夕食には焼き魚と煮物とが出た。食事を作り慣れているんだなあと感じた。
「いつもお料理はご自分でなさるんですか?」
「そうですよ。お掃除もそうですけれど、家の事が好きなんです。」
「えりかさんはなんでもそつなくこなすんですね。」
「そんなことないですよ。ゲームとかすごく下手だし。」
「これから厄介になる身ですから、わたしも家事を分担しないといけないですね。料理はできないので、風呂掃除とごみ捨てといったところでいかがですか。」
「いえ、気を使わなくていいんですよ。いつもやってますし。」
と言われたからといって甘えるわけには行かない。

「わたしはお客さんな訳じゃないんですから、わたしにも家庭内での役割があったほうが気が楽というものですよ。」
「そうですか… そういうことでしたら… お願いします。
あ、それに、買出しに行くとき一緒に来てくださると助かります。お米とか水とか、重たいものがありますから。」
「判りました。」

「引っ越してから今まで、なかよしさんはどうしていました?」
「いやあまあ、たいした行事はなかったですよ。ふつうに高校行って、ふつうに大学行って、教職免許とって。会社に勤めるのがしんどそうだったんで消去法で先生になったって感じですかね。」
「向こうでは、ガールフレンドはできました?」
「わたしにそんなもんができるわけないじゃないですか。」
「ふふ。よかった。」

「えりかさんは? ずっと地元に?」
「ええ。高校の後、私は進学しませんでしたから、アルバイトしたりしなかったりで、ほとんど家にいました。ご隠居さんみたいな生活ですよ。」
「お母さんはいつ…?」
「私の成人式の頃に。」

「この辺もしばらく見ないうちに結構変わりましたね。」
とにかく話題を探そうと思って、月並みな話を振ってみた。実際には驚くほど村の様子が変わっているという訳ではなかったけれど。

「そうですか? ずっと住んでるからなかなか判らないですね。」
「まあしばらく、村の中をうろうろ散歩でもして故郷に慣れ直したいと思いますよ。」
「あ、それでしたら、明日にでも村を案内しましょうか? お弁当持って。なかよしさん明日、ご予定は?」
「ないです。お願いしようかな。」

わたしたちはしばらく、昔の思い出話などをして旧交を温めあった。始終穏やかな、いい雰囲気に包まれていた。

えりかさんとの共同生活が始まった。
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