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20050302
アイデアを練る。

現在のアイデア。怪人プロメテウス対タケミカヅチ@茨城県。

現状でのあらすじ。
* 牛久の入国管理センターでの収容者に対する人権侵害に触れる
 ※ 描き方に慎重さが必要
* 入管収容者たちの怨念が集まっている
* 怪人プロメテウスが登場し、入管収容者たちに同情を寄せる
 * 怪人一味:プロメテウス(オオクニヌシ)、白ウサギ、スクナヒコナ
* 神通力で怨念を集め、お前たちの無念に「火」を与えよう、と、神通力でなにか実施する意志を示す
* 霞ヶ浦から怪獣が現れ南岸に上陸する
* 怪獣は牛久入管に向かって移動する。怪人一味は怪獣とともに移動する。
* 牛久入管への途上、牛久大仏わきを通ろうとすると、大仏が動き出して怪獣の行く手を遮る
* タケミカズチが登場する。
* 怪人一味と問答。ここで日本神話のネタバレをする? ここではまだほのめかしにとどめておく?
* タケミカズチは大仏を操り、プロメテウスの野望を阻止しようとする
* タケミカヅチは大仏の拳10個分の長さの刀身を持つツルギを召喚する
* 大仏がツルギを握ると阿弥陀如来の姿から不動明王の姿に変身する
* 巨大不動明王はトツカノツルギで怪獣を両断する
* プレメテウスは捨て台詞を吐いて退場。「この国はよそ者に残酷な、冷たい国だ…」


冒頭。牛久入管での人権侵害に対する問題提起をどう描くか。
まず私自身が曖昧な知識しか持ってない「牛久入管での人権侵害」をきちんと調べることだな。

<牛久入管でなにが…長期収容される外国人>
相次ぐ外国人収容者の死。牛久の東日本入国管理センターで何が起きているか


象徴で描くのでなく現実の社会問題としてズバリ描くなら、一方的な描き方はしてはいけないのだと思う。入管の職員全員が外国人排斥主義というわけでもあるまい。

…数字か! 数字だけ挙げれば良いのか。
いや、数字もウソを付くというか作為的な見せ方をすることが可能だから必ずしもフェアな道具ではない。私は統計とか数学に疎いので数字をトリッキーに使って見せ方を操作することはできないけど。

「牛久に外国人の怨嗟の念が集まっている」ということだけ書いて、それが牛久入管の収容者たち由来のものであることは直接は触れない?
「あの建物からだ」「あの建物を破壊し、解放してやろう」みたいに間接的に触れるのみでお話は進む? 一種の謎解き要素になり、読者が「牛久? 外国人の怨念? なんのこと?」とググってみたくなるような。

オカルトのように、「収容された外国人が次々に自殺や病死している施設が牛久にある…」という風に触れる?読者があとほんのちょっと検索するだけで入管での人権侵害問題にたどり着くようなヒントだけ示す。これが良いかな。
「牛久入管で外国人に対する人権侵害が行われている」という認識自体はトンデモではなく妥当なものだと判断して良さそうだ。アメリカではかつてアルカトラズ島の刑務所で軽犯罪者に対する執拗な虐待があり、囚人を自殺にまで追い込んだりしていた。弁護士が告発してその後刑務所は閉鎖された。1995年の映画『告発』に描かれている。そういう国家による人権侵害の一種が牛久で行われている。
と、いうか牛久以外にも入国管理センターはあり、どこでも収容者への扱いはひどいものらしい。例えば大阪入管でも同じ話題を見た。

トラブル絶えない日本の入管収容所、海外からも人権軽視と厳しい視線

まあでも今回は牛久。

今回のマンガの目的を何と設定するか。このマンガを読んだことで読者にはどういう「ポジティブな価値」を獲得してほしいか。
いや、今回は「作者が読者に訴えたいこと」が表現されるというパターンだな。読者を元気づけるものではない。
いや、そうだろうか。読者が「人権を侵害される収容者たち」に感情移入することができれば、彼らの無念を晴らすために行動する主人公たちの姿は元気を与えるものになり得る。
外国人だろうが誰だろうが、何人であれ、人権を侵害されるべきいわれはない。人権は侵害されるべきではない。「人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」

* 人権侵害に対して怒りを抱く存在がいるということを感じてもらう

人権の侵害があるとき、それを許さないという思想の担い手がいるということを知ってもらえば、自分の人権が侵害されたときに絶望しないでいられる助けになるのではないか。究極的にはこれが目的になるだろう。
読者の心に怪人プロメテウスが棲み着けば、その読者が人権侵害に出会った際、その人の中のプロメテウスが活性化し、生きるエネルギーを供給し、味方がいるはずだと信じる力になる。

だから人権を侵害された無念の存在が具体的に出てくると良い。牛久入管では収容者に自殺者がかなり出ているという。自殺者のさまよえる魂の集合体を出して、これをスタート地点とする。


次に考えるべき課題。
諏訪湖から登場する怪獣。
日本の神話や伝承から丁度いい怪物が見つかるならそれを使う。
見つからないなら何らかの象徴の工夫を見出す。
そういう意味面での裏付けが考えついたら、ウルトラ怪獣的なエンタメ面での工夫を考える。
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