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20010101
考え事。

次のマンガの課題ジャンルをSFとしたい。いつも一度はSFはどうかな?と考えるんだけどかつて実際にSFを描くところまで行ったことがない。だったらどんなにグダグダなクソマンガになっても一度SFを描いてみると可能性が広がって良いと思う。
なんだけど1月下旬にはpixivファンタジアがまた始まっちゃうのでそっちにパワーを使うことになる気がする。まあでもそれまでSFで考えるのにチャレンジしてみよう。PFも四六時中それで描けるわけじゃないだろうからSFオリジナル短編の構想を長いスパンで並行で練ることができるといい。



今日の着想。
「理想の嫁アンドロイド」。
個人の趣味嗜好に合わせて理想の恋人をアンドロイドとして作るのがその世界には流行ってる。
これは高級品で一般人には手に入らない。
主人公はこれが欲しいなと思っている。
主人公は偶然から、初期化前のアンドロイドを拾う。
やったぜと思っているとアンドロイドが起動する。アンドロイドは自我を持っており、誰かの奴隷になってたまるかという。自由を手に入れるために逃げ出してきた。
主人公はアンドロイドの戦いに協力することにする。
アンドロイドを取り戻そうとする者(メーカー? 本来の持ち主?)が敵対者。


昨日、SF映画『ガタカ』を観た。
人の運命を全て遺伝子が決める社会。就職の際の面接も血液分析の数字しか見られない。遺伝子判定で「ダメ」のレッテルを貼られた人間にはより良い人生への道も閉ざされる。
で、劣等遺伝子の持ち主である主人公は「優れた遺伝子を持っているが人生を捨てて自暴自棄になっている男」と契約して彼になりすますことで自身の夢であった宇宙飛行士という超エリートの職を手に入れる。遺伝子という運命ではなく自身の意志こそが人生では大事なのだというメッセージになっている。

ガタカはかなり勉強になった。SFを通してメッセージ(主張)を表現している。
私はいつもお話をメッセージから作るので、ガタカを参考にすればSFでも描けるのではないかと感じた。

SFというと無限の可能性があってなにをどう考えたらいいのか全然わからなかったんだけど、最近買った洋泉社の『絶対必見SF映画200』という本がヒントになりそう。



この本の目次を見ると、SF映画が分類されている。この分類でSFを理解すればいいのか!と、「無限ではない」視点を手に入れることができた。

目次をコピペ。コピペ元
第1章 スペースオペラ 『フラッシュ・ゴードン』から混迷する『スター・ウォーズ』まで
第2章 月へ、外宇宙へ 宇宙旅行映画先進国はドイツ! 21世紀のリアル宇宙探検まで
第3章 敵対宇宙人 『宇宙戦争』!「エイリアン」サーガ! そして『エクストロ』も!
第4章 友好的宇宙人 『地球の静止する日』から幻の傑作『宇宙からの使者』まで
第5章 ホラーSF 怖いのは「物体X」だけでない! 「クォーターマス」に『いれずみの男』まで
第6章 タイムトラベル 異端SF監督メルキオー『タイム・トラベラーズ』から恐怖の『帰ってきたヒトラー』まで
第7章 パラレルワールド&変動歴史 ドイツがイギリスを占領! 南北戦争で南軍が勝利したアメリカ! もう一つの世界!
第8章 フィリップ・K・ディック 現実喪失を追ったカルトSF作家の作風を受け継ぐ映画たち
第9章 ディストピア 『1984』は現実化している? みんなのディストピアは誰かのユートピアだ!
第10章 サイエンス“ノン”フィクション 『第3の選択』からソ連の月面開発まで、“その嘘ホント?”とノンフィクション
第11章 ニューウェーブ SF界に巻き起こった“新しい波”に呼応する、新しい形のSF映画
第12章 ポストアポカリプス 文明社会が崩壊した後に待っている地獄の世界、君は生き残ることができるか?
第13章 異世界 人体の中、絶海の孤島、宇宙の果ての地獄、そして微妙にゆがんだ日常……
第14章 モンスター 科学が生み出した化け物はゴジラだけじゃない! びっくり大怪獣総進撃!
第15章 遺伝子操作 人類は神を超えるのか? 禁断の技術によって生み出される“新しい生命”。
第16章 ジェンダー SFはオトコだけの好むジャンルじゃない! 想像力の力で性差を超えろ!
第17章 人間改造 動物を人間に改造! 人間は透明に改造! エスカレートする超人願望!
第18章 ロボット 今日、リアルな道具になった人工知能。しかし過去に作られたA.I.の次元はもっと凄かった!
第19章 核の脅威 1945年以降、人類最大のトラウマとなった“核戦争”を巡る地獄絵図!
第20章 地球の終わり 人類最後の日はいつ来るのか? 想像力が辿り着く“この世の終わり”とは?

で、上記の分類の中から「自分のいつもの主張」にマッチするものを探し、それをベースにすると。

私のいつもの主張というと、「抑圧的な巨大な支配者を倒して弱者を解放する」というのが多い。
「社会格差の是正」というべきなのかな。
邪竜の翼でも、不当に抑圧されている竜を解放するというのが最初のお話だった。二番目のお話は不当に搾取されている竜騎士を解放するというお話。つまり抑圧を悪とし、それを打倒する。
なので上記では「ディストピア」がマッチしそう。なんだけど、一旦結論にショートカットするのは我慢して、SF的脳を養うために上記をひとつずつ吟味してみようかな。

## スペースオペラ
スターウォーズのようなもの。
ガンダムもそうか?
エンターテイメントの冒険もの向けな気がする。

## 月へ、外宇宙へ
スタートレックとかの宇宙冒険ものだろうか。
未知の星の未知の文明や文化をどういうものにするのかによっていろんな象徴に使えそう。

## 敵対宇宙人
単純なアクションものや戦争ものなんかを描きたい場合使いやすそう。
敵対宇宙人の描き方によっては現実世界でのプロパガンダに使えるんじゃないか。敵対宇宙人によって連想されるもの(たとえば移民、特定の民族、特定の宗教信者など)が悪とされる。
ファンタジーにおけるドラゴンのように「(人間に作られたわけではない)偉大な存在」の表現にできそう。

## 友好的宇宙人
宇宙人ポールみたいなものか。
社会の一員として宇宙人を登場させ、現実の人間と対比させることで現実の人間を批判する視点を得る。現実の相対化に利用できると。
これも「偉大な存在」にできる。

## ホラーSF
あんまりピンとこないな。
物体Xがこれらしい。

## タイムトラベル
歴史を前提として「もし○○だったら」と空想するものかな。
ドラえもん的に言えば「この時代に行ってみたい」というワクワクを満たすもの、か。
象徴的に使うなら運命論と関わってくるか。歴史が簡単に変わるなら弱い運命、色々やっても変わらないなら強固な運命論。

## パラレルワールド&変動歴史
「もしも日本が第二次世界大戦で勝って世界を支配していたら」みたいなもの。
歴史を修正する快楽というエンタメには使える。
もし○○だったらという思考実験として発想できる。
象徴には使えない?
いや、ありえない「もしもの世界」を描きつつ、実はそれが現実とあんまり変わってないじゃんというふうにすることで現在の現実への批判とすることができるのか。
「ナチスが支配する世界」「冷戦でソ連が勝った世界」みたいに絶対に嫌な世界としてスタートさせつつ実は意外といまの現実より良い社会になってるじゃんとして描くことで現実への風刺とすると。

## フィリップ・K・ディック
この作家の作品について詳しいわけじゃないので分析できないな。

## ディストピア
抑圧的な支配体制と抵抗する民衆。やはり私向けだな。
「誰かにとってのディストピアは他の誰かにとってのユートピア」だという。現実社会への風刺に向いたフォーマットだ。
私が勉強すべきメインターゲットだな。自分のジャンルとすることができたら相当なパワーアップになるはず。

## サイエンス“ノン”フィクション
基本的にはノンフィクションらしい。

## ニューウェーブ
ピンとこない。

## ポストアポカリプス
マッドマックス(2以降)がこれだ。
弱肉強食の世界になるだろうからディストピアと並んでかなり象徴的な使い勝手のいいジャンルだと感じる。

## 異世界
人体の中とか微妙に歪んだ日常とかがこれらしい。
現実世界を別の視点で見るということに使えるんじゃないか。平穏に見える日常も実は…みたいに、いつも見ているものが別な見え方をするような視点を提供する。

## モンスター
これはエンターテイメント向けかなあ。
怪獣もこれか。
恐ろしいものを象徴させるのに向いている。「戦争」とか「核兵器」みたいな歴史レベルでの惨事を表現するのに適してるんじゃないかな。
あるいは破壊衝動か。我々の持つ破壊衝動をモンスターに代行してもらう。自己解放の代行者としてのモンスター。
あるいはモンスターよりも人間のほうが恐ろしいよねというふうに人間性の恐ろしさを風刺するのにも使えるか。非人道的な実験で生み出されたモンスター、暴走してしまい、都合が悪くなって廃棄処分される、みたいな。

## 遺伝子操作
ガタカがこれだった。運命論をどう捉えるかという思想が表現できる。

## ジェンダー
あんまりピンとこないが…
性別が自由に選べるとかの設定によって現実世界で前提とされている性別意識に揺さぶりをかけるというジャンルかな。
女性作者がテーマに選びそうなジャンルではないか。

## 人間改造
超人願望と絡んでくるらしい。するとヒーロー物と相性がいい。「ヒーローとはなにか」とか「超人とはなにか」とか「そもそも人間らしさとはなにか」みたいなことを表現できる。

## ロボット
ロボットは任意の「○○な存在」として設計できるので応用の幅が大きい。
兵士の象徴、母の象徴、力の象徴、奴隷の象徴、超人の象徴…

## 核の脅威
冷戦で文明はマジで滅びかけてるので人類の愚かさを表現するのに向いてる。
ただ、冷戦が終わったので緊迫感は減ってる。
現実世界のニュースでの核の脅威度が上下するのにしたがってこのジャンルの訴求力も変動すると思う。
「世界の終わり」のSF的表現。

## 地球の終わり
核兵器とかポストアポカリプスとかと似たジャンルだと感じる。
「世界が終わるときってのはこういう理由だよね」というシミュレーションなり主張なりに利用できるか。地球温暖化で世界が滅びるというのを説得力持って描けば「だから温暖化対策ちゃんとやろうね」というメッセージにできる。


勉強の進んでない今の時点でざっと考えてみても大した深さにリーチしないな。
その中でも一応「使えそうだ」と感じるもの。
* ディストピア
* ポストアポカリプス
* ロボット
* モンスター
* 遺伝子操作
* 人間改造
* 宇宙人

これ、更にグループ化できるな。

世界の枠設定レベル
* ディストピア
* ポストアポカリプス
* 地中外惑星

キャラクターのアイデンティティレベル
* ロボット
* モンスター
* 宇宙人

キャラクターの属性レベル
* 遺伝子操作
* 人間改造


私がファンタジー描くとドラゴンが登場しがちで、ドラゴンは「偉大な力を持つもの」の象徴になっている。人間を超えた力を持つ存在。
宇宙人をドラゴン的に扱うことは可能。

ロボットもモンスターもデザインドチャイルド(遺伝子改造されて作られた人間)も改造人間も、「人を超えたもの」「作られたもの」という点で同じだな。いや、この2つでの違いがあるんだな。

人を超えたもの:能力が人を超えている。
作られたもの:なんの目的で作られたのかという「本質」が造り手によって与えられている。

「理想の嫁アンドロイド」という設定について考える。
* 理想の嫁という役割(本質)をそもそも与えられている
* 設定された持ち主の理想の性格となって持ち主を愛するという能力(設定)を持つ
* 能力面で超人的かどうかはあんまり重要でない

つまり予め運命を持たされた存在だ。
だからアンドロイドでなくてもいいな。そういうふうに遺伝子操作で作られた存在(奴隷)であってもいい。すると遺伝子が全てを決めるガタカの世界と近いところにテーマを見出すこともできると。


「本質」と「実存」のテーマがSF向けなんだな。
これは「上意討ち」で私を熱狂させた「周囲から求められる役割」と「個人の意志」の相克だと捉えてもいい。
さらにいえば「体制による抑圧」と「個人の自由」とも対応してるのか。
ロボットやデザインドチャイルドが与えられた役割と、ディストピアの支配体制が人民に押し付けるルールとは実は同じものだ。これに従えというルール。役割の押しつけ。これは世間が個人に求める滅私的自己犠牲なんかと同じもの。だからディストピアという大道具を使わなくても一人のロボットを出すだけで同じようなテーマを描けるんじゃないか。


ちょっとだけ理解が進んだぞ。


邪竜の翼をSFでやるなら、ピンナは偉大な能力を持つ宇宙人なんだけどケチな地球人によって抑圧されている、みたいな設定になるかな。
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