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19121901
なんか考えよう。
スターウォーズの本を読んでいるおかげでスターウォーズ熱が高まっており、今日はエピソード2クローンの攻撃を見返した。

EP2の感想としてはジェダイオーダーって実は役立たずの集団であって決して理想の人間像じゃないなということ。パルパティーンの野望を見抜けないし秘密裏に作られたやばい軍隊を追認どころか自分たちが指揮官になっちゃうし結果的に帝国の誕生を止められない。
ジェダイは理想像として描かれてるのではなくなんらかの風刺として描かれてるんじゃないかと感じるようになった。でもなんの風刺だろう。

…堅苦しい大人共だろうか。アナキンの立場からするとがみがみうるさいばかりで自分を信用せず行動を制限しようとばかりしてくる。ティーンエイジャーとその親のようだ。抑圧的な父親。乗り越えるべきもの。
ジェダイとは「父親世代」ではないか。

今読んでいる本は高橋ヨシキ氏の『スター・ウォーズ 禁断の真実(ダークサイド) 』。




引用したい箇所があった。199ページ目。

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「最初のアイディアにあったのは、未開の種族が帝国を倒すということと、ルークが父親を救う、という2つの要素だけだった。残りの要素はすべて、後から足していったものだ」とルーカスはいう(ブルーレイのコメンタリーより)

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ここでいうブルーレイは多分EP6ジェダイの帰還のもの。

で、私はこの箇所を読んで嬉しくなった。
ジョージ・ルーカスが作品を考える際にまずなにを出発点にするのかという発想の順番がわかる。で、それはプロットなのだ。ストーリーの骨格の着想から出発している。
スターウォーズといえば設定が隅々まで行き届いた世界観が主要な魅力だと見えがちだけど実はルーカスにとってはその要素は枝葉のことなのだ。フォースやジェダイや宇宙船やワープ航法といった設定から出発した作品ではない。あくまで語るべきストーリーがまず有り、それに具体的に肉付けを行うプロセスで各種設定が追加されていったということだ。
この作品作りの順序、自分もこのパターンだ。つまりレベルは全く及ばないにしても発想の順序がジョージ・ルーカスと自分とで共通点が見いだせるという点で嬉しくなったということだ。

スターウォーズの出発点のふたつの要素。
* 未開の種族が帝国を倒す
* 主人公が父親を救う


未開の種族が帝国を倒す。
これ「虐げられたものが抑圧者を倒すことだ」と言おうとしたけど実は違うな。未開の種族という言い方には帝国の支配を受けて苦しんでる民衆というイメージがない。念頭に置かれているのはベトコンらしいけど。つまりベトコンがアメリカを倒す。世界一の軍事力を持って世界を牛耳ると調子に乗っていたアメリカに敗北を味わわせたのは未開国だと侮っていたベトナムの人々だったのだ!ということだと思う。アメリカに直接支配されていたわけではないな。
「弱きものが強きものを倒す」という構造ではあるかな。あるいは原始的な生命力がディストピアを打ち砕く。うーん。
ジョージ・ルーカスがなににロマンを見出してなにに「これは嫌だ」とダメ出しするのかということの表れなんじゃないかな。

ジョージ・ルーカスが嫌がるものには大きく2つあると感じる。
* ディストピア
* 権威的父親

ジョージ・ルーカスの最初の作品(なのか?学生時代の作品はどうカウントするんだ?)とされる『THX 1138』がディストピアもので、解決すべき問題とか嫌なものの第一番手にディストピア社会があるということがわかる。

ジョージ・ルーカスは父親が保守的で権威的で、映画を作りたいというジョージ・ルーカスの希望を否定して家業の事務用品店を継がせようとしていたらしい。だからジョージ・ルーカスは父親からの抑圧がとにかく嫌だったはずだ。

わかってきた。銀河帝国はディストピアを表している。ジェダイオーダーは権威的父親を表現している。メインの三部作を通してディストピアは打倒され、プリクエルを通して権威的父親は打倒される。プリクエルというのはジョージ・ルーカスにとっての嫌なものが嫌なものを倒すという枠組みだから重苦しさを感じるんじゃないか。
しかしディストピア社会とは和解不可能だけど父親とは和解できる可能性がある。だからジェダイについては円環構造になるんじゃないか。ルークがジェダイになるということは自分自身が父親に近づくということだ。権威的父親との和解が「ルークが父親を救う」というプロットなのだ。



私もそういう感じの「最初の要素」がほしい。
「抑圧的支配者を、一見弱そうな存在が倒す」というコンセプトは私も共感できる。
一方で父親要素は私の脳内ではあんまり面積がない。父親とは良好な関係だったのでジョージ・ルーカスにおける「引っかかり」が特に無い。
父親を乗り越えるというのは物語構造上本質的な要素なのでこれがプロットに組み込まれていると物語の骨格が強固になるんだけど、私にはその要素の手持ちがない。
自分用の、物語の骨格を支える要素を見出したいな。で、理想で言えばスターウォーズ的に肉付けできれば面白いマンガになるかもしれない。
| マンガについての考えごと | 00:33 | - | - | permalink |
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