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メモ。
せっかくマンガの作画をやってる段階なのだから今しかできない課題を意識したい。
演出だ。

町山智浩氏と春日太一氏とによる対談集『町山智浩・春日太一の日本映画講義 時代劇編』をキンドルで読んでる。



これはYou Tubeで見られるWOWOW映画塾動画と内容が同じなので何度も聞いた事があるんだけど、今回文字で読んで改めて感じたのは、監督ごとの演出の違いについての話が面白いということだ。

理解の枠組みを簡単にすると、映画の演出の路線には「熱い-冷たい」軸がある。

熱い演出:
登場人物の顔のアップを多用して表情を見せる。
オーバーな動きや言動をさせる。
観客が登場人物と同化するような近い距離感を生み出す。

冷たい演出:
登場人物とカメラとの距離が基本的に遠い。ロングショットが多い。
大げさな表情や動きやセリフは使わない。静か。
登場人物と観客との距離をあけて、作中の出来事が批評的にカメラに収められる。


冷たい演出の代表が市川崑監督なのだそうだ。
で、自分のマンガにおける演出の方針に自覚を持つ。
私としては冷たい演出のほうが心地よい。これを意識してやっていきたい。

私が過去にやったことがある「熱い演出」は思い当たるのが一個だけあり、ドラクエ2マンガのローレシア王子だ。


2004年らしいからもう15年前の作品なのか。
で、このコマを描いていた時感じたのは「こりゃ自分向けじゃないな」という違和感だった。こういうコマはあんまり描きたくないなと。

今回の邪竜の翼2でも、はじめは人物の表情で表現しようとしていたコマをやっぱり顔を描かないように変更したものがある。



これの1コマ目。このコマの意味する内容は「ナカヨシが自分の翼にあんまり執着してないことについてピンナが落胆する」というもの。なので最初はピンナの残念そうな表情を描く予定だったんだけど、なんか描くの嫌だなという感じがし、全体的にうなだれたポーズで斜め後ろから描くように変更した。

そういうやつ。

* 登場人物の顔を描くのはマストではない
* 表情豊かに描けるほうが優れているわけではない
* ロングショットで工夫して表現する
 * 例えば日陰にいさせることで暗い精神状態を表現する
 * 握りしめた拳で怒りを表現する
 * 背景に教会や国旗を背負わせることで使命感を表現する など

私はロングショットが好きだ。

冷たい、クールな演出。
淡白な演出。
モダンな(装飾の少ない)演出。
余計なものを削ぎ落とすことで構造(この場合物語の構造になるのかな)だけむき出しで残るようなのが良い。
| マンガについての考えごと | 20:06 | - | - | permalink |
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